熊本県 防災ハンドブック 地域ぐるみで防災活動

共助のかなめ「自主防災組織」

●右の表は、阪神・淡路大震災のときに、生き埋めになったり閉じ込められた人が誰に救助されたかを示したものです。およそ9割の方が自力・家族(自助)、もしくは、近所の人などの助け合い(共助)で助かっています。

●大規模な災害では、消防・警察・自衛隊などの公的機関による救助(公助)には限りがあります。このため、命を守るために、『自助』『共助』が極めて重要になります。

●自主防災組織とは、「自分たちの地域は自分たちで守る」ことを目的に、結成された共助の組織をいいます。少しでも災害の被害者を減らせるよう、それぞれの地域で結成しておく必要があります。

自主防災組織の活動

●平時からの防災活動や災害時の避難行動などについて、自主防災組織等を中心に地区住民が協議し、自主的に地区防災計画を作成します。

●令和2年7月豪雨では、地区住民が自主防組織として協力し、避難したことで、多くの命が救われた事例がありました。このような「地域ぐるみで命を守る」取組みが大切です。

活動している組織の紹介

相良村「十島区自主防災組織会」の取り組み

●令和2年7月豪雨で、氾濫した球磨川のそばで水位を記録し続けたことで異変に気づき、全戸を回って避難を呼びかけたことで、地区が床上2m超の浸水に襲われる中で、犠牲者を1人も出しませんでした。

「黒髪校区第4町内自主防災クラブ」の取り組み

●災害時要援護者支援マップを活用し、住民が避難場所へ集合する際の道順の確認や避難誘導訓練などを実施しています。また、「一人暮し見守り表」を作成し、災害時の支援のみならず、日々の生活での支援も行っています。

避難に支援を要する人たちを守るために(避難行動要支援者)

●ひとたび災害が発生すると、高齢者や障がい者などが避難できずに、犠牲になる可能性があります。災害時にひとりで避難することが難しく、何らかの手助けを要する人は「避難行動要支援者」と呼ばれ、高齢者、障がい者のほか、難病患者の方なども含まれます。

●こうした人たちを守るには、常日頃から地域の避難行動要支援者の把握を行っておくことが大事です。災害時には、地域住民が協力し、支援しましょう。

平常時の支援

●車いすで移動しやすいなど、高齢者や障がい者などが住みやすい環境を整備する

●日頃のコミュニケーションを通じ、地域で支援が必要な人を把握しておく

●災害時の情報伝達や支援体制など、具体的支援方法を確認しておく

●防災訓練や講習会へ参加し、災害時の対応の仕方を学んでおく

災害時の支援

●災害の現状や今後の見通しなどについて適切に情報提供する

●避難行動要支援者の立場に立った丁寧な避難誘導に心掛ける

●避難行動要支援者が孤立しないよう、声かけなどを心掛け温かい気持ちで接する

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